渡らずの橋のはなし
先日国道156号「飛越峡合掌ライン」を走っていて、おもしろいものを見つけたはなし
156号のとくに小牧ダムから五箇山ICの間は庄川の急峻な地形の中を走るので、土木的にはなかなか走っていた面白い区間だと感じた。
ロックシェッド/スノーシェッドに関しては整備年代や様式がばらばらで見本市のような楽しさがあるし、架けられた橋の個性はともすれば単調になりがちな渓谷の道路風景にいいアクセントを与えてくれる。
そんな橋の中で特に興味深いなと思った橋が、今日まとめている「湯出島橋」だった。
湯出島橋
この橋はいわゆる「渡らずの橋」と呼ばれる、対岸に行くことを目的としない橋である。
鉄道好きな人なら飯田線の「第6水窪川橋梁」を思い浮かべるだろう。
この橋の建設理由は「第6水窪川橋梁」と同じで、建設中に大規模な崩落が発生し、その現場を避けるように橋を架けたということのようだ。
事業者は川田グループ、どこかで聞いたことあると思ったら東京ゲートブリッジの会社だった。
http://anniversary.kawada.jp/detail/no100879.html
※この会社、新中央航空もグループにいてびっくりした。
この「渡らずの橋」はそんなに数多いものではないという認識でいるが、飛びぬけていいなと思ったのがその構造。
下流側は上路トラス、上流側が逆ローゼになっているのだ。
結果として、同じ橋にも関わらず視覚的には2度おいしい橋となっている。
ということで、ちゃんと2回渡りました。楽しかったです。
最近は難所は山側に長大トンネルを掘って回避するのが定石になっているので、今後はこういった道路風景はなかなか実現しないような気はします。
それにしても北陸~東海を結ぶ山岳国道には本当に見どころが多いので、高速をたまには降りて、下道を使うのも悪くないなぁ。